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大阪の障がい者福祉サービス ヴェローナケア / スタッフブログ / ~ご利用者様に見ならいたいこと~

2022.02.02 スタッフブログ

~ご利用者様に見ならいたいこと~

当ホームで働かせていただくようになってから早くも一年近くが経とうとしていますが、いまだに毎日が新鮮です。それは、住まわれているご利用者一人ひとりから、いろいろなことを教えられたり与えられたりしているからなのだと思います。 筆者の仕事はご利用者の生活を支援していくことですが、支えているつもりが逆に支えられているのではないかと思わされることがよくあります。 T様との最初の出会いは働き始める直前、職場の見学をさせてもらった時でした。そこにいたT様は初対面だったにもかかわらず、カメラを手にしながら「写真いいですか?」と声をかけてきてくれました。途端に緊張がほぐれ、当ホームに親しみを持つことができました。 T様について最も感動しているのは日記です。自室やリビングで少しでも時間があれば、日記を書いておられます。A4の大学ノートに黒のボールペンで、起床から就寝までの、天気や食事の内容、トイレに行った時刻、体温や血圧等のバイタルデータ他、生活のこまごまとしたことをびっしりと記録していかれます。 このホームで暮らすようになってからずっと書いてきたそうですから、日記を続けて、もう数年になるはずです。今まで何度も日記をつけようと思い立っては三日坊主に終っていた筆者からすれば尊敬以外の何ものでもありません。 去年一年間で何十冊もの大学ノートを日記に使ったそうです。外出するたびにノートを買っているそうです。今年に入ってまだ一ヶ月も経ちませんが、既に二冊目に取り組まれております。 ある日のことです。筆者は「なぜ日記を書くのですか?」とたずねました。すると、T様は少しはにかみながら「書きたいから書いているだけです」と言われました。書くと気持ちがすっきりとして落ち着くそうです。 哲学者の池田晶子は「言葉は命であり、価値である」と述べていました。そうしてみると、日記という媒体を通じて言葉を積みかさねていくことは、T様の命の表現であり、人生にとって価値あるものなのだろうとも言えます。 さらにT様は「ぼくがいなくなっても、この日記は残ると思いますので」とも言われます。 もしかして、何百年もしてからこのノートが発見されたとき、後世の人びとにとって興味深い史料になるのかもしれないなどと想像するとわくわくしてきます。 いま筆者はT様に見ならって、日記を書いてみたいと思っています。 今度は三日坊主にならないように。 by M. S.

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